2011/2/14

競争法

ポーランドのフィアット支援に疑義、新型エンジン生産めぐり

この記事の要約

欧州委員会は9日、ポーランド政府が伊自動車大手フィアットの新型ガソリンエンジン生産事業に補助金を支給する計画について、本格調査に着手すると発表した。大型投資プロジェクトに対するEUのルールに反する疑いがあるため。\ フィ […]

欧州委員会は9日、ポーランド政府が伊自動車大手フィアットの新型ガソリンエンジン生産事業に補助金を支給する計画について、本格調査に着手すると発表した。大型投資プロジェクトに対するEUのルールに反する疑いがあるため。

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フィアットのポーランド子会社フィアット・パワートレイン・テクノロジーズ・ポーランドは、同国シレジア地方のビェルスコ・ビャワにある工場で1億8,000万ユーロを投じて新世代のガソリンエンジンを生産する計画を進めている。同地は生活水準が低く失業率も高いため公的支援の対象地域だが、5,000万ユーロを超える大型投資プロジェクトに対しては支援規模に制限がある。このためポーランドは課税優遇策を含めて総額4,090万ユーロの補助金の提供を決めていた。

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EUのルールでは、欧州委が大型投資プロジェクトについて競争上の本格調査に乗り出す基準を決めている。これによれば、対象となる企業の市場シェアが25%を超える場合、またはプロジェクトで創出される生産能力が市場の5%を超えて市場全体の拡大が欧州経済領域(EEA)のGDPの成長率を下回る場合となっている。

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欧州委の初期調査によれば、フィアットの乗用車の一部でシェアが25%を超えることが判明した。ただしポーランド政府は乗用車と小型商用車は同じ市場であり、その中では25%を超えていないと主張している。ただ欧州委は、フィアットのプロジェクトにより拡大する生産能力の算出方法についても疑問視している。

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