2011/3/28

産業・貿易

外国企業の企業買収に対抗、伊政府が防衛措置を承認

この記事の要約

イタリア政府は23日、国内の戦略的企業を外国企業の買収から守るための措置を盛り込んだ政令を承認した。フランス企業の傘下に入るイタリア企業が相次いでおり、22日にはチーズなど乳製品大手の仏ラクタリスが伊同業パルマラートの筆 […]

イタリア政府は23日、国内の戦略的企業を外国企業の買収から守るための措置を盛り込んだ政令を承認した。フランス企業の傘下に入るイタリア企業が相次いでおり、22日にはチーズなど乳製品大手の仏ラクタリスが伊同業パルマラートの筆頭株主になり、これが今回の政令の引き金となった。

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政令では、外国企業に買収されるイタリア企業に対してすでに発表している株主総会の日程を延期することを認めている。これは他のイタリア企業が買収に乗り出す時間を与えることを狙ったもの。パルマラートは粉飾決算で2003年に破たんの危機に瀕した際に外国企業3社が株式を取得したものの、保有株式をラクタリスに7億4,400万ユーロで譲渡することで合意。ラクタリスは株式29%を取得して筆頭株主に躍り出た。イタリアでは出資比率が30%に達すると正式に買収案を提示することが義務付けられている。

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2月には高級ブランドを傘下に収める仏LVMHモエ・ヘネシーがイタリアの高級宝飾ブランドのブルガリを買収し、伊電力会社のエジソンに出資するフランス電力公社(EDF)も出資比率の拡大を狙っている。ただ今回の政令では戦略的企業が明確に定義されていない。現地紙のコリエール・デラ・セーラは、食品、通信、エネルギー、防衛の各分野の企業が戦略的企業にあたると報じている。

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