2011/6/27

総合 –EUウオッチャー

加盟国がシェンゲン協定見直しで合意、移民対策で出入国審査復活へ

この記事の要約

EU加盟国は24日の首脳会議で、EU加盟国などが出入国審査を廃止し、旅行者が域内をパスポートなしで移動できるようにする「シェンゲン協定」の見直しについて合意した。不法移民の大量流入など「例外的な状況」に限って、各国が出入 […]

EU加盟国は24日の首脳会議で、EU加盟国などが出入国審査を廃止し、旅行者が域内をパスポートなしで移動できるようにする「シェンゲン協定」の見直しについて合意した。不法移民の大量流入など「例外的な状況」に限って、各国が出入国審査を復活できるようにする。

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シェンゲン協定の見直しは、チュニジアの政変をきっかけに北アフリカ諸国からイタリア、フランスに大量の難民や不法移民が流入していることを受けたもの。欧州委員会は5月初め、ある加盟国が国境での出入国を管理できなくなるような不測の事態が生じた場合に限って、当該国が「セーフガード措置」を発動し、出入国審査を復活できるようにする案を提示していた。

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シェンゲン協定には現在、英国とアイルランド、ルーマニア、ブルガリア、キプロスを除くEU諸国とノルウェー、アイスランド、スイスの計25カ国が参加している。首脳会議の議長採択は「各国は例外的な状況に限って、最後の手段として国境審査を復活する」として、域内の自由な人の移動を認める原則に変わりはないことを強調したが、欧州統合の象徴である同協定に1995年の発効以来、初めて大きなメスが入ることになった。

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首脳会議での承認を受け、欧州委員会はセーフガード発動の条件など詳細を9月までにまとめ、加盟国に提示する予定だ。

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