2011/6/27

競争法

シーフランス再建で本格調査開始

この記事の要約

欧州委員会は22日、仏国鉄SNCFの子会社で、英仏海峡でフェリーを運航するシーフランスの救済再建策について、EUの国家補助規定に違反する疑いがあるとして、本格調査を開始したことを明らかにした。\ シーフランスは英仏海峡航 […]

欧州委員会は22日、仏国鉄SNCFの子会社で、英仏海峡でフェリーを運航するシーフランスの救済再建策について、EUの国家補助規定に違反する疑いがあるとして、本格調査を開始したことを明らかにした。

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シーフランスは英仏海峡航路の競争激化により経営難に陥り、2010年6月に管財人の管理下に置かれた。欧州委は同8月、仏当局が半年以内にシーフランスの将来の存続可能性を証明し、競争の不当な歪曲を回避する再建計画を提出することを条件に、同社に対する4,000万~7,000万ユーロの信用供与を承認。今年2月に提出された再建計画は、SNFCがシーフランスに2億2,300万ユーロの資本注入を実施することを柱とする内容だった。

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これに対して欧州委は、再建計画で示された事業性の回復見通しが疑わしいことや、大企業の場合は再建費用の50%を負担すること義務付けられているにもかかわらず、シーフランスの負担分はこれを大きく下回っていること、競争の歪曲を回避するための方策が十分に示されていないことなどを問題視。本格調査に乗り出すことを決めた。

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欧州委のアルムニア委員(競争政策担当)は、救済再建支援は最も競争を歪めるタイプの国家支援のひとつだと指摘。「欧州委は、シーフランスが再建に伴うコスト負担の公平に分担しているか、追加の国家補助なしに事業として存続していけるのかという点を確認する必要がある」と述べた。

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