2011/9/5

欧州ビジネスウオッチ

製紙大手UPMがリストラ、供給過剰で2工場閉鎖

この記事の要約

フィンランド製紙大手のUPMキュンメネは8月31日、出版用紙部門のリストラ計画を発表した。原料高騰と出版業界からの需要減少のダブルパンチで業績が悪化していることに対応した措置。フィンランドとドイツの計2工場を全面閉鎖する […]

フィンランド製紙大手のUPMキュンメネは8月31日、出版用紙部門のリストラ計画を発表した。原料高騰と出版業界からの需要減少のダブルパンチで業績が悪化していることに対応した措置。フィンランドとドイツの計2工場を全面閉鎖するほか、存続させる独拠点の一部施設も停止し、年2億ユーロのコスト圧縮を図る。今回の措置によりドイツを中心に従業員1,170人が影響を受ける見通し。

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リストラ計画によると、完全閉鎖するのはフィンランドのコウヴォラ工場と独アルプブルック工場で、アルプブルックで手がけていた生産の一部は独プラットリング工場に移管する。また、独エトリンゲンでは工場の一部を閉鎖する。さらに、販売・サプライチェーン部門で重複する業務を見直しスリム化を図る予定で、今回のリストラによりドイツでは710人が整理の対象となる見込みだ。

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UPMのハルトムート・ヴルスター技術部長はリストラについて、「出版用紙の需要が長期的に回復する見込みはないと判断した」と説明。過剰な生産能力を抱え続ければコスト負担が増し、競争力を維持できなくなる」として、理解を求めた。

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