2011/10/10

産業・貿易

年内に中国と観光分野の協定締結へ、査証手続き簡素化を検討

この記事の要約

欧州委員会のタヤーニ委員(産業・起業担当)は7日、ポーランドのクラクフで開いたEU加盟国の観光担当相による非公式会合で、年内に観光分野における中国との連携強化をうたった共同宣言に署名したい考えを明らかにした。中国人観光客 […]

欧州委員会のタヤーニ委員(産業・起業担当)は7日、ポーランドのクラクフで開いたEU加盟国の観光担当相による非公式会合で、年内に観光分野における中国との連携強化をうたった共同宣言に署名したい考えを明らかにした。中国人観光客の誘致促進策の第一歩として、同副委員長とマルムストロム欧州委員(内務担当)は欧州への旅行を希望する中国人が円滑にビザ(査証)を取得できるよう、近く作業部会を設置して査証発給手続きの簡素化に向けた検討に入ることで一致しているという。

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タヤーニ副委員長は巨大な人口を抱え、富裕層や中産階級が急速に拡大する中国は欧州の観光産業にとって最も有望な市場の1つと指摘。「共同宣言は欧州の旅行業界に利益をもたらす有益な協力関係のスタートになる」と強調した。

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中国国家観光局の統計データによると、2010年に海外を訪れた中国人観光客は前年比20.4%増の5,739万人に上った。また、米ボストン・コンサルティング・グループは今年3月、13年には中国が日本を抜いて米国に次ぐ世界第2の旅行大国になるとの予測を示した。同社によると、国内と海外を合わせた中国旅行業界の市場規模は今後10年間に年14%のペースで拡大を続け、10年の1兆5,000万元から20年には5兆5,000億元(約70兆円)に拡大するとみられている。

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