2012/1/30

産業・貿易

EUがイラン産原油の禁輸を正式決定、全面禁止は7月から

この記事の要約

EU加盟国は23日に開いた外相理事会で、核開発を続けるイランに対する追加制裁措置として、イラン産原油の輸入を禁止することを正式決定した。輸入の新規契約を即時に禁止。契約済みの輸入についても7月1日から禁止する。イラン産原 […]

EU加盟国は23日に開いた外相理事会で、核開発を続けるイランに対する追加制裁措置として、イラン産原油の輸入を禁止することを正式決定した。輸入の新規契約を即時に禁止。契約済みの輸入についても7月1日から禁止する。イラン産原油の2割を輸入するEUによる禁止措置で、イラン経済は大きく圧迫されることになる。

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EUは同時に、イラン中央銀行がEU内に保有する資産の凍結と、イランとの貴金属取引禁止も決めた。

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EUは1月初め、イラン産原油の輸入禁止で大筋合意したが、一部の加盟国が同国からの原油輸入に大きく依存していることから、発動時期などをめぐる調整が難航。とくに、イランから有利な条件で原油を輸入しているギリシャが、禁輸によって大きな打撃を受け、債務危機で揺らぐ経済が一段と圧迫されることが問題となっていた。

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このため外相理事会は、契約済みの輸入を認める形で猶予期間を設け、完全禁輸を7月に先送りすることで合意。禁輸措置に伴うギリシャの原油輸入コストの増加分をEUが負担することも決めた。また、5月までに禁輸措置が有効かどうかを検証し、継続の可否を判断する方針も打ち出した。

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イランはEU加盟国に日量計45万バレルの原油を輸出。輸出先としては中国に次いで2番目に多い。2010年のEU統計局のデータによると、イラン産原油はスペインの原油輸入量の15%、ギリシャの14%、イタリアの13%を占めている。

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対ミャンマー制裁は緩和

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一方、同日の理事会では、ミャンマーに対する経済制裁の緩和を決めた。テインセイン政権による政治犯釈放など民主改革を評価したもので、大統領と閣僚、両院議長に対する査証(ビザ)発給停止措置を解除する。

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