2012/7/30

環境・通信・その他

EUでの模倣品押収15%増、7割が中国製

この記事の要約

欧州委員会が24日公表した税関における知的財産権の執行に関する年次報告書によると、2011年に域内の税関が押収した模倣品や海賊版は1億1,500万件に上り、前年の1億300万件から15%増加した。押収品総額は10年の11 […]

欧州委員会が24日公表した税関における知的財産権の執行に関する年次報告書によると、2011年に域内の税関が押収した模倣品や海賊版は1億1,500万件に上り、前年の1億300万件から15%増加した。押収品総額は10年の11億ユーロから昨年は13億ユーロに拡大した。押収された模倣品や海賊版は中国製が全体の4分の3を占め、引き続き同国が知的財産権を侵害する物品の主たる供給国であることが確認された。

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押収件数が最も多かった品目は医薬品で24%を占め、包装資材(21%)、タバコ(18%)と続いている。また、日用品と消費者の健康や安全を脅かす可能性のある製品を合わせると全体の28.6%を占め、この割合は前年(14.5%)の約2倍に拡大した。郵便小包みの差し止め件数も引き続き増加しており、このうち36%が医薬品関連だった。

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一方、税関が押収した物品の出所は中国が全体の73%を占めた。EUと中国は2009年、税関当局の連携強化を柱とする知的財産権の執行に関する行動計画に署名し、双方が情報の共有や民間部門とのパートナーシップ構築などを進めることで合意したが、依然として中国から幅広いカテゴリーの模倣品や海賊版がEU市場に流入している実態が明らかになった。ただ、食料品はトルコ、アルコール飲料はパナマ、清涼飲料水はタイ、携帯電話は香港が模倣品の主たる供給国となっている。

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なお、2011年に税関で押収された物品の90%はすでに廃棄処分になったか、知的財産権侵害の有無を判断するための審査が行われている。

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