2013/1/21

総合 –EUウオッチャー

12年の独成長率は0.7%、10-12月期はマイナスに

この記事の要約

ドイツ連邦統計局が15日発表した2012年の国内総生産(GDP)は実質ベースで前年比0.7%増となり、上げ幅は11年の3%から大きく縮小した。欧州債務危機と世界経済減速の影響に加え、営業日数が前年より3日少なかったことも […]

ドイツ連邦統計局が15日発表した2012年の国内総生産(GDP)は実質ベースで前年比0.7%増となり、上げ幅は11年の3%から大きく縮小した。欧州債務危機と世界経済減速の影響に加え、営業日数が前年より3日少なかったことも反映された。とくに下半期は不振で、10-12月期は0.5%のマイナス成長となった。

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12年のドイツ経済をけん引したのは外需で、輸出成長率は4.1%に達した。伸び率は前年の7.8%から鈍化したものの、輸入の伸び率が7.4%から2.3%に縮小したため、GDP成長率に対する外需(輸出-輸入)の寄与度は前年の0.6ポイントから1.1ポイントに倍増した。

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一方、内需の寄与度はマイナス0.3ポイントと、前年のプラス2.4ポイントから悪化した。個人消費(前年比0.8%増)と政府支出(同1.0%増)はこれまで同様に拡大したものの、過去2年間好調だった設備投資と建設投資の変動率はそれぞれ前年のプラス7.0%からマイナス4.4%、プラス5.8%からマイナス1.1%へと大きく落ち込んだ。景気の先行き不透明感を受けて企業が投資を見合わせていることが響いた格好だ。国内総固定資本形成(投資)は前年を2.1%下回り、3年ぶりに減少へと転じた。

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ドイツのGDP成長率はリーマンショックの影響で09年にマイナス5.1%となり、戦後最悪の落ち込みとなったものの、10年には輸出と企業投資、個人消費が急速に回復し成長率はプラス4.2%へと達した。11年も好調に推移したものの、ここにきて回復にブレーキがかかった格好だ。統計局のローデリヒ・エーゲラー局長は、10年と11年の成長率が高かった背景には急落したGDPの回復局面だったという事情もあると指摘したうえで、ドイツ経済は12年も厳しい環境への免疫力を示したとの見方を示した。

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