2013/1/21

欧州ビジネスウオッチ

三菱商事、テンネットと海底送電プロジェクト

この記事の要約

オランダ国営送電事業者のテンネットは16日、北海ドイツ海域の海底送電事業を三菱商事と共同実施することで合意したと発表した。送電事業者以外の投資家がドイツの海底送電プロジェクトに参加するのは三菱商事が初めて。海底送電線の敷 […]

オランダ国営送電事業者のテンネットは16日、北海ドイツ海域の海底送電事業を三菱商事と共同実施することで合意したと発表した。送電事業者以外の投資家がドイツの海底送電プロジェクトに参加するのは三菱商事が初めて。海底送電線の敷設遅延や送電障害が起きた場合の補償ルールが制定・施行されたことで、安心して投資できる環境が整えられたことが大きい。

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両社は北海で4件の海底送電プロジェクトを共同実施する。プロジェクト名はそれぞれ「BorWin1」「BorWin2」「HelWin2」「Dol-Win2」で、うちBorWin1とBorWin2については昨年2月の時点で基本合意が成立していた。BorWin1はすでに稼働している。

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4プロジェクトの送電容量は計2.8ギガワット(GW)で、ドイツ政府が北海で計画する総送電容量の約30%を占める。事業規模は29億ユーロに上り、そのうち約60%を融資で賄う。出資比率はテネット51%、三菱商事49%で、三菱商事は5億7,600万ユーロを拠出する。

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ドイツでは海底送電線の敷設遅延や送電障害が起きた場合の補償ルールが昨年まで確定せず、これが投資家獲得のネックとなっていた。テネットの独法人社長は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に対し、三菱商事の参画は他の投資家の呼び水になると述べ、その意義を強調した。

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テネットは北海のドイツ海域で計10の海底送電プロジェクトを運営ないし計画している。送電容量は合わせて5.3ギガワットで、投資規模は58億ユーロに上る見通しだ。

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