2013/5/6

総合 –EUウオッチャー

ムーディーズがスロベニア国債を投機的水準に、金融システム混乱で

この記事の要約

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは4月30日、スロベニア国債の格付けを「Baa2」から2段階引き下げ、投機的水準の「Ba1」にすると発表した。金融システムの混乱、財政悪化を受けたもので、格付け見通しも […]

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは4月30日、スロベニア国債の格付けを「Baa2」から2段階引き下げ、投機的水準の「Ba1」にすると発表した。金融システムの混乱、財政悪化を受けたもので、格付け見通しも「ネガティブ」とし、さらなる格下げを示唆した。

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スロベニアでは政府系の大手銀行で不良債権問題が深刻化しており、政府は2008年から3銀行に総額約10億ユーロの公的資金を注入。これが財政悪化を招いている。

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ムーディーズは今後も銀行への公的支援が必要となる可能性が高く、財政がさらに悪化する恐れがあるとして、投機的水準への格下げを決めた。

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スロベニアは国債が投資不適格級とされたことで信用がさらに低下し、国債発行による資金調達が困難となるのは避けられず、同日予定していた米ドル建て国債の入札は中止された。市場では同国が資金調達に行き詰まり、EUへの金融支援要請を迫られるとの観測が急浮上している。

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