2014/1/20

欧州ビジネスウオッチ

フィアット、本社の米移転を検討

この記事の要約

伊自動車大手フィアットのマルキオーネ最高経営責任者(CEO)は13日、米クライスラーの完全子会社化に伴い、本社の米国への移転を検討していることを明らかにした。統合手続き完了後の29日に開く新会社の取締役会で協議する。 ク […]

伊自動車大手フィアットのマルキオーネ最高経営責任者(CEO)は13日、米クライスラーの完全子会社化に伴い、本社の米国への移転を検討していることを明らかにした。統合手続き完了後の29日に開く新会社の取締役会で協議する。

クライスラーに58.5%を出資するフィアットは1日、残る株式を総額36億5,000万米ドルで取得し、経営統合すると発表。誕生する新会社は世界7位の自動車グループとなる。統合は20日に完了の予定となっている。

フィアットは伊トリノ、クライスラーは米ミシガン州オーバーン・ヒルズに本社を置いている。マルキオーネCEOはデトロイトで開催された国際自動車ショーの記者会見で、米国への本社移転計画が浮上していることについて、イタリアを大きく上回る金融市場にアクセスでき、資金調達の面で有利な点をあげた。

ただ、フィアットは国内民間企業では最大の雇用の受け皿となっていることから、本社移転は微妙な問題で、イタリア政府が阻止に動く可能性がある。

一方、マルキオーネCEOは、クライスラーとの統合で誕生する新会社の社名は未定としながらも、フィアットとクライスラーの名前を残す方向で検討していることを明らかにした。また、フィアットのジョン・エルカーン会長は同日、2015年または16年の退任が見込まれていたマルキオーネCEOが少なくとも17年まで現職にとどまると発表した。