米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは17日、債務危機のため投機的水準の「Ba1」としていたアイルランドの長期信用格付けを1段階引き上げ、投資適格級の「Baa3」に設定したと発表した。国際金融支援からの脱却と景気回復が進んでいることを受けたもの。これによって世界の3大格付け会社がすべて、アイルランドの格付けを投資適格級に引き上げたことになる。
アイルランドは債務危機を受けて、2010年11月にEUと国際通貨基金（IMF）から総額675億ユーロの金融支援を取り付けたが、財政再建が進んで状況が改善し、昨年12月に同支援を脱却。7日には10年物国債の入札で、順調に37億5,000万ユーロを調達していた。
ムーディーズは、アイルランドが今後も国債発行によって低コストで資金を調達でき、財政再建が一段と進む見込みであることや、景気回復を考慮し、格上げを決めた。格付け見通しも「ポジティブ（強含み」とし、さらなる格上げを示唆した。
