2014/9/10

総合・マクロ

独VW、ロシア現地生産を縮小

この記事の要約

独フォルクスワーゲン(VW)が今年のロシア現地生産計画を下方修正したもようだ。ルーブル安を受けた実質賃金低下による同国自動車市場の縮小が背景にある。独オペルのサンクト・ペテルブルク工場も先月から週4日生産体制に入っており […]

独フォルクスワーゲン(VW)が今年のロシア現地生産計画を下方修正したもようだ。ルーブル安を受けた実質賃金低下による同国自動車市場の縮小が背景にある。独オペルのサンクト・ペテルブルク工場も先月から週4日生産体制に入っており、経済不振とウクライナ情勢の膠(こう)着が企業の活動に直接影響を及ぼし始めた。今後、状況がさらに悪化する可能性もあり、部品メーカーでも投資計画を見直す動きが出ている。

独業界誌『アウトモビールボッヘ』が7日報じたところによると、VWが操業するカルーガ工場では今年の生産計画を従来の15万台から12万台に引き下げた。他社の取材に対してVWは報道の真偽の確認は避けたものの、7日から1週間操業を停止すると回答している。

自動車メーカーが減産すれば、サプライヤー業界にも影響が及ぶのは必至だ。ドイツのキルヒホフはロシア投資計画を凍結。選定した工場用地の購入を見合わせた。エドゥシャはロシアからの受注が大きく減少し、今年に入ってからの売上高は目標を30%下回っている。

ベンテラー・オートモーティブは「具体的な数値はまだ発表できない」としながらも、「当社のカルーガ工場も、制裁が発動されれば何らかの措置をとる」とコメントしている。

カルーガはモスクワの南西約200キロメートルに位置する。VWは同地で「ポロ」、「ティグアン」のほか、シュコダブランドの「ファビア」と「オクタビア」も生産している。

ロシアの乗用車・小型商用車販売台数は1―7月期、前年同期比9.9%減の141万台へ落ち込んだ。VWも10%減少した。