2015/5/6

総合・マクロ

ロシア、BRICS通貨基金の設置にゴーサイン

この記事の要約

ロシアのプーチン大統領は2日、新興5カ国(BRICS)で総額1,000億米ドルの通貨基金を設置する協定に署名し、他国に先駆けて批准手続きを完了した。「短期の資金不足」のリスクに備えるもので、中国が410億ドル、ロシアとイ […]

ロシアのプーチン大統領は2日、新興5カ国(BRICS)で総額1,000億米ドルの通貨基金を設置する協定に署名し、他国に先駆けて批准手続きを完了した。「短期の資金不足」のリスクに備えるもので、中国が410億ドル、ロシアとインド、ブラジルがそれぞれ180億ドル、南アが50億ドルを拠出する。米国の影響力が強い国際通貨基金(IMF)に対抗する機関として位置付けている。

新興5カ国は昨年7月、危機に備えて通貨基金を共同で設置することで合意した。同時に、独自の「新開発銀行(NDB)」を上海に設立することも決定した。NDBは2016年に業務を開始する予定だ。

この動きの背景には、世界銀行とIMFにおける影響力が小さい新興5カ国の不満がある。IMFでは2010年末に議決権の再配分を内容とする改革案が理事会で承認されたが、米国議会の反対で5年経っても実現していない。新興5カ国は世界人口の40%を占め、世界総生産の20%を担う。(東欧経済ニュース2月18日号「ロシア、BRICS開発銀行設立合意書を近く批准」を参照)