2015/5/6

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ブルガリア、2020年までに黒海で天然ガス採掘へ

この記事の要約

ブルガリアは2020年までに黒海での天然ガス採掘を開始する方針だ。4月28日付の独紙『フランクフルター・アルゲマイネ』がブルガリア議会エネルギー委員会のドブレフ委員長の話として伝えたもので、すでに探鉱・開発に向けた入札手 […]

ブルガリアは2020年までに黒海での天然ガス採掘を開始する方針だ。4月28日付の独紙『フランクフルター・アルゲマイネ』がブルガリア議会エネルギー委員会のドブレフ委員長の話として伝えたもので、すでに探鉱・開発に向けた入札手続きが始まっている。自国で採掘することでコストを3分の1に抑えることができるため、ロシアへのエネルギー依存度の引き下げにつながると期待される。

入札手続きが開始されたのはブルガリア領黒海の大陸棚にあるシリスタルとテレスの2つの大規模鉱区で、探鉱期間は5年間。ドブレフ委員長は両鉱区の埋蔵量は年間およそ数千億平方メートルに達するとみるが、資源価格が低迷しており、企業は投資を手控える傾向にあるとの懸念も示した。両鉱区に隣接するハン・アスパルフ鉱区については仏トタル、墺OMV、スペインのレプソルが3年前に試掘権を獲得したものの、ボーリング調査の開始は延期されている。

ブルガリアとロシアは昨年12月にロシアが中止を表明した「サウスストリーム」パイプライン建設計画をめぐり悪化している。同計画を主導する国営ガス会社ガスプロムがブルガリア企業との関連事業契約の破棄を拒否しており、それによって年間数千万ユーロを超える損失がブルガリア側に発生するという。ドブレフ委員長は「プロジェクトが完全に中止されるのか否か、誤解が生じないようはっきり示すことをロシア側に求めている」と話している。