2015/5/6

総合・マクロ

クロアチア大統領、20年のユーロ導入が可能

この記事の要約

クロアチアのグラバルキタロヴィッチ大統領(クロアチア民主同盟:HDZ)は4月28日、同国のユーロ導入が2020年にも可能との見通しを示した。欧州経済と強く結びついているクロアチアにとって単一通貨への参加が大きなプラスにな […]

クロアチアのグラバルキタロヴィッチ大統領(クロアチア民主同盟:HDZ)は4月28日、同国のユーロ導入が2020年にも可能との見通しを示した。欧州経済と強く結びついているクロアチアにとって単一通貨への参加が大きなプラスになるとの考えだ。一方でミラノヴィッチ首相(社会党:SPD)は導入日程を定めることに慎重で、「準備が整ったときに」採用すると述べるにとどまっている。

欧州連合(EU)に加盟した中東欧諸国は、加盟時にユーロ採用を約束している。これまでにスロベニアとスロバキア、エストニア、ラトビア、リトアニアの5カ国が導入手続きを完了した。しかし、欧州危機の長期化、ギリシャのユーロ離脱の憶測などを背景に、未採用のポーランドやチェコでは導入に反対する人も増えている。

クロアチアでも、不況の長期化で人気が低下する与党SPDが慎重姿勢であるのに対し、中道右派の野党HDZは採用に積極的。来年の議会選挙でもユーロ導入の是非が政治的争点の一つとなりそうだ。

クロアチアは6年間の景気後退を経て、今年ようやく成長に転じると予想される。しかし、国内総生産(GDP)は2008年以来、12%も縮小した。昨年の財政赤字はEUが定める上限の3%を大きく超える5.7%に悪化し、EUの財政規律違反で処罰される初の例になりかねない。グルチッチ副首相によると、政府債務の対GDP比は17年に約93%でピークを迎える見通しだ。政府は現在、赤字削減に向けた財政緊縮案を策定している。

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