2015/5/6

総合・マクロ

中東欧など5カ国、EUにVAT制度の改正要求へ

この記事の要約

中東欧4カ国(チェコ、スロバキア、ブルガリア、ハンガリー)とオーストリアの財務・経済相は4日ウィーンで会合し、付加価値税(VAT)制度の改定を欧州連合(EU)に求めていくことで一致した。買い手がVATを納める「リバースチ […]

中東欧4カ国(チェコ、スロバキア、ブルガリア、ハンガリー)とオーストリアの財務・経済相は4日ウィーンで会合し、付加価値税(VAT)制度の改定を欧州連合(EU)に求めていくことで一致した。買い手がVATを納める「リバースチャージ制」の導入や、一部加盟国でのパイロットプロジェクト実施などを提案している。

オーストリアのシェリング財務相は共同記者会見で、約10の加盟国がVAT制度改正の動きに共鳴していると発言。オーストリアとチェコでリバースチャージ制を試験的に導入するため、欧州委に承認を求める考えだ。

現在VATは、売り手が取引時に買い手から製品価格と合わせて受取り、まとめて納税する仕組みとなっている。しかし、税金の回収から納税まで時間が空くことを悪用し、業者がVATを納めないまま行方をくらます「カルーセル(回転木馬)詐欺」が横行。チェコのバビシュ財務相によれば、EU加盟国の損害額は年500億ユーロに上っている。

オーストリアはこれまでにもリバースチャージ制の導入を働きかけてきたが、欧州委が過去に2度反対し、失敗に終わった経緯がある。