2015/5/20

総合・マクロ

EBRDの中東欧経済見通し、明暗分かれる

この記事の要約

欧州復興開発銀行(EBRD)は14日、中東欧・旧ソ連諸国の最新の見通しを発表した。今年の予想成長率は欧州連合(EU)加盟国など西寄りの国々が欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和などが追い風となって上方修正された一方で、ロ […]

欧州復興開発銀行(EBRD)は14日、中東欧・旧ソ連諸国の最新の見通しを発表した。今年の予想成長率は欧州連合(EU)加盟国など西寄りの国々が欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和などが追い風となって上方修正された一方で、ロシアや同国との関係が深い東側の旧ソ連諸国は不調が見込まれており、明暗が大きく分かれた。(表参照)

ポーランド、ハンガリー、スロバキア、スロベニアについては、1月発表の従来予測が上方修正された。原油安に加え、ECBの量的緩和が景気を押し上げると予想されているためで、これら4カ国を含む中欧・バルト8カ国の成長見通しも前回を0.3ポイント上回る2.9%に引き上げられた。

ロシアの予想成長率は今年がマイナス4.5%、来年が同1.8%。ウクライナは今年がマイナス7.5%に落ち込むが、来年はプラス成長に転じると予測している。

ウクライナを含む東欧・コーカサス諸国はロシアの景気後退に加え、地政学的リスクによる投資減少、為替安などで、1月予測に比べて見通しがさらに暗くなっている。中央アジアも同様だ。

トルコは従来と変わらず、今年、来年とも3%の成長が見込まれる。ただ、本来の成長力を十分に活かしきれない状況だ。