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2015/10/7

ロシア

ロシア航空2位のトランスアエロが倒産

この記事の要約

ロシア第2位の航空会社トランスアエロ(Transaero)の倒産が決まった。トランスアエロがアエロフロートに対し、期限内に売却提案書を提出できなかったためだ。これを受けて、1日にトランスアエロの航空券販売、5日には国際線 […]

ロシア第2位の航空会社トランスアエロ(Transaero)の倒産が決まった。トランスアエロがアエロフロートに対し、期限内に売却提案書を提出できなかったためだ。これを受けて、1日にトランスアエロの航空券販売、5日には国際線の運航が中止された。15日を最後に全便の運航が停止する。

アエロフロートは政府の働きかけでトランスアエロの株式75%プラス1株を取得することに合意した。しかし、9月29日の期限までにトランスアエロから提案が届かなかったため、計画を取りやめた。ウリュカエフ経済相も今月2日、「倒産以外に道はない」とコメントし、アエロフロートの判断を容認した。

販売済みのトランスアエロ航空券については12月15日までアエロフロートが乗客を引き受ける。その後の分は代金を払い戻す。

トランスアエロの抱える債務は34億ユーロに上る。主要債権者はロシア銀行大手のVTBとズベルバンクで、近く正式に清算手続きを申請する。

トランスアエロは1991年の創業。観光地に格安で定期便・チャーター便を飛ばし、ロシア人旅行者の人気を博した。運行機材は約100機だが、業界専門家からはそのコスト高を指摘する声があがっていた。

政府は昨年の時点で支援策として、90億ルーブルの信用供与を行った。しかし、トランスアエロの業績は改善せず、今年上半期は85億ルーブル(1億1,600万ユーロ)の損失を計上した。

■航空機メーカーにも影響?

トランスアエロの倒産は航空機製造業界にも影響が波及しそうだ。エアバスは同社からA380型機を4機(契約額:16億米ドル)、ボーイングは747-8型機を4機(同7億7,400万ドル)受注しており、一部についてすでに製造を開始している。(1RUB=1.81JPY)(東欧経済ニュース9月9日号「アエロフロート、国内2位のトランスアエロを買収」を参照)

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