2015/10/7

自動車

VW排ガス不正、中東欧自動車業界にも波及

この記事の要約

中東欧の自動車業界が、独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正事件による売上減を懸念している。ドイツとの結びつきが強く、VWの販売台数減が直接受注に反映されるためだ。他のエンジンモデルやメーカーでも不正が見つかれば、自動 […]

中東欧の自動車業界が、独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正事件による売上減を懸念している。ドイツとの結びつきが強く、VWの販売台数減が直接受注に反映されるためだ。他のエンジンモデルやメーカーでも不正が見つかれば、自動車産業全体のイメージダウンにつながり、経済全体に打撃が広がる可能性がある。

バンクオブアメリカでは、「VW排ガス不正でチェコとハンガリーが最も大きな波をかぶるとみる。最悪でGDPを1.5ポイント押し下げるほどの影響が出かねない。ポーランドとルーマニアはそれぞれ約0.5ポイント低下する予想だ。

信用調査会社コファスのエコノミスト、シエレヴィツ氏は、VW乗用車の需要縮小が経済の足を引っ張る要因として最も大きい」と話す。問題のエンジンは新車には搭載されていないが、イメージダウンで売れ行きが後退するのは不可避だ。

中東欧経済はドイツと緊密な関係を築いてきた。例えば、VWはスロバキアに乗用車工場、ハンガリーにエンジン工場を持ち、チェコ自動車最大手のシュコダを傘下に収めている。それだけ、VWの景気がそれぞれの国の経済に与える影響が強いということになる。

墺銀行大手のエルステでは、不正がVWの「EA 189」ディーゼルエンジンだけにとどまれば、生産が終了していることもあり、影響は限定的とみる。ただ、他の型や他メーカーでも不正が発覚すれば、業界全体のイメージダウンは避けられず、自動車を基幹産業として育ててきた中東欧諸国の受ける打撃は大きくなる。

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ
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