2015/10/7

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

トルコのインフレ加速、9月物価は7.95%上昇

この記事の要約

トルコ統計局(TUIK)が5日発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で7.95%上昇した。政府目標の5%はおろか、過去12カ月の移動平均値(7.8%)も超えるもので、来月1日の議会選挙を前に経済の見通しが一段 […]

トルコ統計局(TUIK)が5日発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で7.95%上昇した。政府目標の5%はおろか、過去12カ月の移動平均値(7.8%)も超えるもので、来月1日の議会選挙を前に経済の見通しが一段と暗くなった形だ。インフレ加速を受けて、市場では利上げ観測が強まっている。

項目別では、インフレ率の計算で大きな比重を占める「食品・ノンアルコール飲料」が10.73%と急上昇した。他には「宿泊・外食」が13.99%、「雑貨・サービス」が11.23%、「娯楽・文化」が10.38%の高い伸びを示した。

一方で「交通」(2.42%)、「通信」(2.82%)は上げ幅が小さかった。

イシュ・インベストメントのエコノミスト、ムアマ・ケミュルキュオール氏は、コアインフレ率が8.23%と、7カ月ぶりで8%台に上昇したことに注目。通貨リラ安が反映された結果と指摘する。

GCM証券のエムラフ・ビロル氏は「新興経済国のインフレ目標値は2%前後であることが多い。先進工業国でインフレ率を2%に引き上げようという努力がある(=一般的にデフレ傾向が強い)なか、このような高い数値が出たというのは、インフレ抑制策が効果を表していないということ」と警鐘を鳴らす。

英キャピタル・エコノミクスのウィリアム・ジャクソン氏は、インフレ率は今後6カ月は加速が続くとみる。「通貨安に加え、来年初めには原油安によるインフレ率引き下げ効果(約0.7ポイント)が消失する」と予測する。このため、中銀に対する利上げ圧力が高まる見通しだ。