2015/10/7

ロシア

ガスプロム、「サハリン2」のLNG生産能力の大幅強化を検討

この記事の要約

ロシア天然ガス大手の国営ガスプロムが、極東サハリンの液化天然ガス(LNG)生産プロジェクト「サハリン2」の生産能力の大幅な拡大を検討している。すでに設置が計画されている第3プラントに加え、第4プラントを設けるもので、実現 […]

ロシア天然ガス大手の国営ガスプロムが、極東サハリンの液化天然ガス(LNG)生産プロジェクト「サハリン2」の生産能力の大幅な拡大を検討している。すでに設置が計画されている第3プラントに加え、第4プラントを設けるもので、実現すれば年産能力が現行の1,000万トンから2,000万トンへ倍増する。

メドベージェフ副社長は9月29日、ロイター通信に対し「技術面では第4プラント建設の前提条件はそろっている」と話した。原料となる天然ガスの調達先としては、(1)ロスネフチと米エクソンモービルが運営する「サハリン1」(2)自ら開発を手掛けるユジノ・キリンスコエ鉱区(サハリン3)――が考えられる。ただ、米国が8月に(2)を制裁対象に加えたため、原料の安定供給を確保する意味では(1)からの購入が望ましいとの立場だ。

ガスプロムは「サハリン2」で英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルと戦略提携。サハリン沖の石油・天然ガス鉱区を開発するとともに、ロシア唯一のLNGプラントを操業している。プロジェクトへの出資比率はガスプロムが50%プラス1株、シェルが27.5%マイナス1株、三井物産が12.5%、三菱商事が10%。

LNG生産能力強化については今年6月、ガスプロムとシェルが第3プラントの設置で合意したが、実施時期などは明らかになっていない。