ハンガリー政府は、電気自動車(EV)の普及に向けた具体案を今月末までにまとめる方針だ。インフラ整備と非金銭的な優遇措置を骨子とし、優遇措置は普及が進んだ段階で撤廃する。国家経済省は、普及策の実施で2020年までに登録台数が4万~5万台に増加するとみている。
経済省がこのほど発表した計画によると、インフラ整備では充電スタンド網の拡充が主眼となる。具体策には、(1)電力スタンド運営者に対する電力販売免許料の割引・免許交付手続きの簡易化(2)充電スタンドの設置許可手続きを簡易化し、レストランや喫茶店、小売店への併設を容易にする――が含まれる。2020年までに、最低150カ所に充電スタンドを新設し、スタンド総数を210カ所以上に引き上げる目標だ。
ドライバーに対しての優遇措置としては、(3)バス・タクシー専用レーンの走行(4)充電駐車場の無料利用(5)ショッピングセンターにEV駐車スペースの設置義務付け――が予定される。(3)は道路が混雑するブダペスト市のドライバーにとって有用だ。一方、税軽減措置は予定されていない。
EVには、エコカー用ナンバープレート「グリーン・ナンバープレート」を交付して他の自動車との識別を容易にする。
(東欧経済ニュース9月9日号「ハンガリー、EVインフラ整備に70億フォリント」、8月19日号「ハンガリー、エコカー用ナンバープレートの交付を開始」を参照)