独ノルトライン・ヴェストファーレン州の捜査当局がルクセンブルクにある銀行を利用して脱税してきたドイツの納税者の情報を購入していたことが13日、明らかになった。メディア情報によると、約3,000人の情報が含まれており、過去最高の規模という。情報の分析は進んでおり、当局は14日にプライベートバンクFinckグループの子会社VM VermoegensManagement GmbHを家宅捜査した。
\当局は脱税容疑者の情報が入ったCDを昨年、購入した。価格は300万~400万ユーロとされる。
\脱税に使われていたのは英銀HSBCのルクセンブルク支店で、CDには個人のほか企業の情報も含まれているという。経済紙『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』によると、検察当局は行員が脱税をほう助していた可能性もあるとみて捜査を進めている。HSBCの独子会社HSBC Trinkhausが関与していたかは不明だが、捜査の対象となっているVM VermoegensManagementの行員は以前、HSBC Trinkhausに勤務していた経緯がある。
\ドイツではリヒテンシュタインやスイスの銀行を利用して脱税してきた納税者が2008年以降、次々と摘発されている。違法な手段で取得した脱税者情報であっても独当局が買い取る姿勢を打ち出しているためで、情報提供の打診は現在も後を絶たないという。
\