スポーツ用品大手の独アディダス(ヘアツォーゲンアウラハ)から米子会社リーボックを買収することを、香港とアラブ首長国連邦(UAE)の投資会社からなる企業連合が計画しているもようだ。『ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)』紙が20日報じたもので、近く買収提案を行うという。同企業連合に属する香港のジンウェル・キャピタルはメディアの問い合わせに「投資の可能性は常に模索している」と回答するにとどめ、アディダスもコメントを控えている。
アディダスは2005年、リーボックを38億ドル(約30億ユーロ)で買収した。リーボックはこれまでアディダスの業績を押し下げてきたが、ここにきて黒字転換する見通しが出ている。
WSJ紙によると、ジンウェルなどで構成される企業連合はリーボックを22億ドル(17億ユーロ)で買収する考え。リーボックの時価は現在、8億~16億ユーロと見積もられており、買収額はこれを上回る。
アディダスは最近、ゴルフブランド「トムテイラー」の業績不振とロシア事業の低迷、為替差損を受けて株主から批判を受けている。リーボックの売却を求める声も強いため、市場にはアディダスが買収提案に応じ売却益を特別配当に回すとの見方がある。