電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は5日、エルベ川河口のクックスハーフェンに洋上風力発電の心臓部に当たるナセルの工場を設置すると発表した。約2億ユーロを投資して年内に着工。2017年半ばの生産開始を見込む。
ナセルは風力を電力に転換する発電機などを収める機械室。クックスハーフェン工場では発電容量7メガワット(MW)のナセルの最終組み立てを行う。最大1,000人の新規雇用見込む。
工場はクックスハーフェン港に面した場所に設置する。これにより困難を伴う陸上輸送を回避。輸送船に直接、積み込むことで労力とコストを削減する。同社は歴史の浅い洋上風力発電の設置でこれまで多くの試行錯誤を繰り返し、最近になってようやくノウハウを獲得した。
シーメンスは、英東部海岸のハルにブレード工場を建設することも明らかにした。6MWおよび7MW用のブレードを17年からフル生産する。
シーメンスは洋上風力発電設備の世界最大手メーカーで、これまでにタービン3,100基を販売した。洋上に設置したのは1,470基強で、発電容量は計4.7ギガワットに上る。洋上送電線と洋上風力発電サービスでも最大手となっている。