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2015/8/19

企業情報

フライシュマン―企業年金の負担に耐えられず―

この記事の要約

鉄道模型を製造する墺モデルアイゼンバーン・ホールディングの独子会社フライシュマン(ハイルスブロン)は4日、会社更生手続きの適用を裁判所に申請した。退職者に支払う企業年金の負担に耐え切れないため、同負担を企業年金保険機関P […]

鉄道模型を製造する墺モデルアイゼンバーン・ホールディングの独子会社フライシュマン(ハイルスブロン)は4日、会社更生手続きの適用を裁判所に申請した。退職者に支払う企業年金の負担に耐え切れないため、同負担を企業年金保険機関PSVaGに委ね経営の健全化を図る。業務はこれまで通り行う。

鉄道模型はかつて、多くの子供が持つ人気玩具だった。だが、テレビゲームの普及と少子化を受けて需要が減少。最大手の独メルクリンは2009年に経営破たんし、業界企業は大規模な人員削減などを余儀なくされた。

フライシュマンは1887年創業の老舗メーカーで、現在は墺同業のロコ(Roco)とともにモデルアイゼンバーンの傘下企業となっている。大規模なリストラを行ったため、従業員数は33人と少なく、売上高も1,500万ユーロにとどまる。

一方、同社の企業年金受給者は600人を超えており、年金負担は現在の事業規模に釣り合わないレベルに膨らんでいる。会社更生手続きの適用を受けた企業の企業年金はPSVaGが引き受けることから、フライシュマンは今回の措置に踏み切った。