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2015/8/19

経済産業情報

パワー・ツー・ガスの試験施設が稼働

この記事の要約

エネルギー大手のRWEは17日、余剰電力で生産した水素を必要な時に発電に充てる「パワー・ツー・ガス」の試験施設の竣工式を独西部のイッベンビューレンで行った。風力や太陽光などの再生可能エネルギーを用いた発電は発電量が天候に […]

エネルギー大手のRWEは17日、余剰電力で生産した水素を必要な時に発電に充てる「パワー・ツー・ガス」の試験施設の竣工式を独西部のイッベンビューレンで行った。風力や太陽光などの再生可能エネルギーを用いた発電は発電量が天候に大きく左右されるため、必要以上に発電された電力を何らかの形で蓄える技術の開発は大きな意味を持つ。

イッベンビューレンの施設の中心は英ITMパワーが建設した電解設備だ。同設備では再可エネ発電の余剰電力を用いて水素を生産。天然ガス配管網に供給し、電力の不足時に発電に充てる。排熱利用も含めるとエネルギー効率は86%に達する。

電力を蓄える手段としては蓄電池もあるが、蓄電した電力が利用しなくても消耗するというデメリットがある。水素の形で蓄えておけばそうした無駄を回避できる。ただ、パワー・ツー・ガスには経済的に採算が合わないというネックがあり、この問題をクリアしない限り普及は期待できない。