エネルギー大手の独エーオン(デュッセルドルフ)は6日、イタリアの水力発電事業を現地の再生可能エネルギー電力事業者ERGパワー・ジェネレーションに売却することで合意したと発表した。昨年11月に打ち出した組織再編計画に基づく措置。取引金額は約10億ユーロ。売却手続きは同国独禁当局の承認や労働組合との協議を経て年末に終了する見通しという。
イタリア中部のウンブリア、ラツィオ、マルケ州で事業展開する子会社テルニ・グループをERGに譲渡する。テルニは発電能力が計527メガワットで、発電量は年14テラワット時に上る。
エーオンは昨年11月、南欧事業からの撤退方針を打ち出した。イタリア事業についてはすでに、火力発電をチェコ同業のEPH、太陽光発電を現地のインフラ投資会社F2iにそれぞれ売却することを取り決めた。風力発電パークも放出するとみられる。電力・天然ガスを自治体や産業顧客に供給する事業については今回、手元に残す考えを明らかにした。