ドイツ電力業界の動き

KSB AG―原発向け事業に陰り―

日本の放射能漏れ事故とドイツの脱原発前倒し政策を受けて、ポンプ大手の独KSB(フランケンタール)が原発向け事業を見直す方向だ。同社のヴォルフガング・シュミット社長は『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』紙に対 […]

Teldafax―経営破たん―

国内最大の独立系エネルギー販売会社Teldafax(ケルン近郊トロースドルフ)が倒産した。同社は経営不振が続いており、資金繰りに行き詰ったもよう。18日には電力供給を停止。同社の顧客に対してはそれぞれの地域の電力会社が電

Gazprom

天然ガス世界最大手の露Gazpromがドイツの発電市場への参入を検討している。原子力エネルギーの全廃政策に伴い、原発に代わる発電所の建設が緊急の課題となっていることを追い風に利用する。すでにEon、RWE、Winters

エネルギー分野の研究開発、優先順位を産業界が政府に提言

ドイツ産業連盟(BDI)は『ドイツのエネルギー研究の優先事項』と題する報告書を作成し、政府の今後のエネルギー研究開発投資で優先すべき分野を産業界の立場から提言した。最優先項目には「産業プロセスのエネルギー効率化」「高機能

Eon AG―仏の石炭発電所を閉鎖へ―

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)はフランスで運営する石炭発電所、計5ブロックを廃止する。二酸化炭素(CO2)排出権競売入札が2013年から欧州レベルで始まることを受け、CO2を大量に放出する老朽化した石炭発電

Allianz SE―ガスパイプライン会社に出資―

保険大手の独Allianz(ミュンヘン)は6日、投資子会社Allianz Capital Partners(ACP)を通してノルウェーの天然ガス輸送合弁会社Gassledに出資すると発表した。安全な資金運用が狙い。取引は

Gazprom

天然ガス世界最大手の露Gazpromがエネルギー大手の独Eonへの戦略出資に関心を示している。Eonないし同社の天然ガス子会社Ruhrgasに資本参加することで、欧州の最終顧客向け市場に参入。天然ガスの生産から販売までを

ビール大手がスマートグリッドで節電

ドイツの大手ビールメーカーPaulaner Brauerei(ミュンヘン)がスマートグリッドの取り組みを開始した。導入したのは「デマンド・レスポンス(需要応答、DR)」と呼ばれる技術で、DRソリューションを提供するEnt

独電力大手を格下げへ 原発停止でムーディーズが

米格付け大手ムーディーズは3日、独エネルギー大手エーオンの長期格付け引き下げを検討する方針を明らかにした。3月中旬から運転を停止していた老朽原発の廃炉が決まったことで、経営が圧迫される可能性が高まったため。同じ理由で、独

スイスが原発廃止へ、新設計画を撤回

スイス政府は5月25日、原発2基の新設計画を撤回する方針を明らかにした。日本の原発事故を受けた措置で、今後は再生可能エネルギーなどを強化していく。既存原発は長期的に廃炉となるため、国内の原発は2034年頃にすべて廃止され

ドイツの原子力技術者に中国が熱い視線

中国がドイツの原子力研究者、技術者の獲得に強い関心を示している。日本の原発事故をきっかけにドイツが原発廃止の方向性を明確に打ち出したことを受け、原子力関係の研究・開発がドイツ国内では先細りする可能性があるためだ。中国原子

Deutsche Telekom AG―スマートグリッドでEonと提携―

電気通信大手のDeutsche Telekom(ボン)がスマートグリッドの分野で電力大手の独Eonと提携する。5月30日付『ハンデルスブラット』紙が報じ、Deutsche Telekomの広報担当者が追認した。 \ De

シーメンスに違約金支払いの裁定、アレバとの合弁解消で

独シーメンスが仏アレバとの原発合弁会社Areva NPから全面撤退し露Rosatomと提携するのは契約違反だとしてアレバが提訴していた係争で、国際商業会議所(ICC)国際仲裁裁判所はこの訴えを認め、シーメンスは違約金6億

海獣保護に向け防音技術テストへ、エネルギー8社が合意

洋上風力発電を設置・運営するエネルギー大手8社は17日、海棲哺乳類を発電所建設時の騒音から保護するためのパイロットプロジェクトを実施することで合意した。トラーヴェミュンデ沖で今年8月から8カ月かけて、研究開発中の防音・消

原発廃止は2021年までに可能=政府倫理委

日本の放射能漏れ事故を受けてドイツ政府が設置したエネルギー倫理委員会は同国の原子力発電を2021年までに全廃できるとの見解を固めたもようだ。同委が5月末に公表する最終答申の草案をもとに『フランクフルター・アルゲマイネ(F

「航空機の衝突に耐える原発なし」=原子炉安全委

福島原発事故を受けて独国内の原発17基の安全性を新たな基準で調査してきた原子炉安全委員会(RSK)の報告書が17日公表された。大きな焦点となっていた航空機の衝突への耐性では備えが十分な施設は1つもなく、安全性の不備が確認

Eon AG―利益見通し引き下げ、原発廃止加速など打撃に―

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)は11日の決算発表で、2011年通期の業績見通しを下方修正した。天然ガス事業の不振のほか、ドイツ政府が打ち出した原発廃止の加速政策が直撃。事業売買を除いた実質ベースの営業利益(

環境団体にも建設差し止めの訴権あり=欧州司法裁

環境に悪影響をもたらす懸念のある産業施設に対し環境団体が建設差し止め訴訟を起こせるか否かをめぐる裁判で、欧州連合(EU)の欧州司法裁判所(ECJ)は12日、環境団体にも個人同様に判決請求権(訴権)が認められるとの判断を示

スマートグリッドプロジェクトがマンハイムで進む

ドイツ南西部の都市マンハイムでスマートグリッドの実証プロジェクトが進められている。「モデルシティ・マンハイム(MOMA)」と名付けられた同プロジェクトは、電力情報の提供・管理システムの開発とともに、“地産地消型”電力ネッ

ドイツ初の商業洋上風力発電パーク稼働

独北東部チングストの沖合16キロの海域で2日、洋上風力発電パーク「Baltic1」が稼働を開始した。ドイツで初めて商業運転される風力発電パークで、記念式典にはメルケル首相が参加。「エネルギー獲得の新しい章が始まる」と抱負

CSS法案を閣議了承、安全貯留技術の確立へ

連邦政府は14日、「二酸化炭素(CO2)の分離・貯留(CCS)技術の導入と利用に関する法案」を閣議了承した。同法案が規制の対象とするのは研究・デモ目的の施設で、プロジェクト事業者に事故の際の損害を補償させることなどを骨子

脱原発加速、6月中旬にも法案可決へ

福島第1原発事故の発生から40日が経った現在、ドイツでは原子力発電を早急に全廃することがすでに既定路線となっている。原発の稼働延長政策を支持する声は同政策を推進してきた与党内からも消えており、連邦政府は原子力から再生可能

RWE Dea AG―リビア事業中断―

エネルギー大手RWEのガス・油田開発子会社RWE Dea(ハンブルク)がリビア事業の凍結を余儀なくされている。国連などの制裁の影響で油田開発作業が停止しているうえ、現地従業員への給与支払いも認められていないという。同社の

Siemens AG―Rosatomとの合弁撤回を模索―

電機大手の独Siemens(ミュンヘン)がロシアの原子力大手Rosatomと合意した合弁会社の設立を撤回するもようだ。英『ファイナンシャル・タイムズ(FT)』紙がSiemens幹部の発言として報じた。独『南ドイツ新聞』は

再可エネ発電、普及のカギは貯蔵技術

福島原発事故をきっかけにドイツで再生可能エネルギーへの関心がこれまで以上に高まっている。政府の環境問題諮問委員会はすでに今年1月、「2050年までに電力需要をすべて再可エネでカバーすることは可能」とする提言書を作成。循環

造船業界が洋上風力発電向け需要に期待

ドイツの造船業界が洋上風力発電の需要拡大に期待をかけている。独造船・海洋技術連盟(VSM)のヴェルナー・ルント会長は『南ドイツ新聞』とのインタビューで、「風力エネルギー業界からの受注は我々にとって大きな希望だ」と発言。2

電気通信と電力でインフラ整備の強化を=ネットワーク庁

電力、ガス、電気通信および鉄道市場を監督する連邦ネットワーク庁(BNetzA)は6日、2010年の年次報告書を発表した。それによると、国内の再生可能エネルギー生産能力は過去5年で2倍強の54ギガワットに拡大。ブロードバン

Bilfinger Berger SE―「原発廃止は事業チャンス」―

建設大手の独Bilfinger Berger(マンハイム)は3月30日の決算発表で、ドイツが原発廃止政策を加速すれば同社の利益につながるとの見方を示した。建設、サービスの両面で需要が見込めるとしている。 \ Bilfin

Siemens

電機大手のSiemensが原子力事業の見直しを進めているもようだ。5日付『南ドイツ新聞』が内部情報をもとに報じたもので、全面撤退も視野に入れているという。同紙によると、Siemensは原発需要の急拡大が長期的に続くとの見

「市民ソーラー発電所」構想、コンサル会社が発表

環境コンサルティング会社の独Deutsche Umweltberatungはこのほど、再生可能エネルギーの利用拡大を促す機運が高まっているとして、市民がソーラー発電設備の設置に参加できる「市民ソーラー発電所」構想を発表し

ドイツの再可エネ投資、今年は55億ユーロに

ドイツの再生可能エネルギー関連企業の投資額は今年、55億ユーロに上る見通しだ。再生可能エネルギー全国連盟(BEE)が3月30日、市場調査会社EuPDリサーチやヴッパー研究所などに委託した企業アンケート調査の結果として明ら

Solarworld AG―国内でリチウム鉱開発へ―

太陽電池メーカーの独Solarworld(ボン)は25日、リチウム鉱脈の調査計画がザクセン州経済省から承認されたと発表した。同社は太陽電池向けバッテリーの需要が今後、拡大すると予想。バッテリーの原料となるリチウムを自らの

再可エネ発電能力、原子力を上回る

ドイツの再生可能エネルギーの発電能力が原子力を初めて上回った。福島原発事故を受け老朽化した原発7基の運転を停止させたためで、再可エネによる発電能力が約17ギガワット(GW)であるのに対し、原子力は現在約15GWへと落ち込

電力料金上昇の恐れ、原発7基の停止で

ドイツ政府が旧型原発7基の稼働停止を打ち出したことを受け、電力料金が上昇する見通しだ。供給に大きな問題は出ないものの、家庭向け電力料金が今後、値上げされる公算が高いという。 \ すでに政府が7原発の停止を発表した15日に

BASF SE―ガスパイプライン「サウス・ストリーム」に参加―

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は21日、ロシア主導の天然ガスパイプライン計画「サウス・ストリーム」に参加することで基本合意した。露国営ガス会社Gazpromとの協力関係を強化。南東欧のガス販売事業を加速

国内原発の安全性見直しへ、老朽7施設は廃炉の可能性も

福島原発の放射能漏れ事故はドイツにも大きな衝撃をもたらしている。与党3党は14日、昨秋の法改正で実現した原発の稼働延長を3カ月間、凍結することで合意した。凍結期間中は国内の全原発(17基)の安全性を徹底検証。ビブリスAな

Wintershall Holding GmbH新ガス田開発でGazpromと基本合意―

BASFのエネルギー子会社Wintershall(カッセル)と露Gazpromは10日、シベリアのガス田で新たな鉱区を開発することで基本合意した。両社はすでにシベリアのユジノ・ルスコエガス田とウレンゴイガス田の採掘で提携

Eon AG―Vattenfallのフィンランド事業買収に意欲―

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)が同業Vattenfall(スウェーデン)のフィンランド事業買収に意欲を示している。Eonの現地子会社社長が10日、フィンランド国営放送(YLE)に対し明らかにした。「Vatt

Eon AG―2010年は30%の最終減益に―

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)が9日発表した2010年決算の最終利益は58億ユーロとなり、前年から30%減少した。南欧事業を中心に26億ユーロの減損処理を行ったほか、天然ガス調達価格の高止まりが響いた。前年

Nordex SE―部品メーカーに値下げ要求へ―

風力発電設備大手の独Nordex(ハンブルク)が部品メーカーに値下げを要求する意向だ。業界の設備過剰と競争激化を背景に製品価格が下落していることに対応する狙い。同社のトーマス・リヒテリッヒ社長が7日発行『ファイナンシャル

Siemens AG―海底開発分野で2社買収―

電機大手の独Siemens(ミュンヘン)は7日、海底油田・ガス開発分野の特殊部品メーカー2社をノルウェーのSubsea Technologyグループから買収すると発表した。海底資源の開発が急速に拡大していることに対応。自

Eon AG―英電力網を米社に売却―

エネルギー大手の独Eon(デュッセルドルフ)は2日、英国の電力網子会社Central Networksを米同業PPLに売却すると発表した。債務圧縮と投資費用捻出に向け2013年までに150億ユーロの資産を放出する計画の一

北海ウィンドパークが不許可の見通し、自然保護で初ケース

ドイツ最北端のジルト島沖にあるオフショア風力発電所の増設計画が中止に追い込まれそうだ。連邦環境保護庁(BfN)が「アビ(渡り鳥)の越冬地が長期的に破壊される恐れがある」として承認拒否の姿勢を表明したためで、北海のオフショ

上部へスクロール