欧州フォードは、組立工場の生産ラインの動きを完全にシミュレーションするシステムの開発に取り組んでいる。実際にラインを立ち上げる前に作業員の動きや組み立ての流れをコンピューター上で再現・分析できるようにすることで生産プロセスの最適化やコスト削減、稼働率向上、品質向上に役立てる。同社が6日、プレスリリースで明らかにした。
\フォードは1997年、自動車メーカーカーとして世界で初めて、コンピューター上で工程設計や生産ライン設計などを行う“仮想工場”を導入。以来、当該分野で業界のパイオニア的存在になっているという。
\同社は3Dカメラや拡張現実(AR)技術などを駆使して作業員や機械の動きをデータ化し、作業員や設備に無駄な動きが出ないように配置している。同社が開発したバーチャル作業員「ジャック」は組み立て中の作業の動きの80%をコンピューター上で再現できる。
\システム開発を手がけるフォード・スペインの技術者によると、現在開発中の仮想工場システムでは、新モデル用組み立てラインの刷新など既存設備を近代化する際、作業員やロボットのスペースなどを確認するために工場のラインを実際に動かす必要が全くなくなるとしている。
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