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2015/1/16

企業情報 - 部品メーカー

独マンツ、リチウムイオン電池の製造設備で大型受注

この記事の要約

独機械大手のマンツは1月7日、電池事業で計約4,000万ユーロの受注を獲得したと発表した。複数の企業からリチウムイオン電池の製造設備を受注した。これらの契約の大部分は2015年1‐6月期決算に計上するという。 受注したの […]

独機械大手のマンツは1月7日、電池事業で計約4,000万ユーロの受注を獲得したと発表した。複数の企業からリチウムイオン電池の製造設備を受注した。これらの契約の大部分は2015年1‐6月期決算に計上するという。

受注したのは電子機器向けのリチウムイオン電池を生産するための設備で、電極構造が巻回型と積層型の電池の両方タイプの製造設備が含まれるという。

マンツのディーター・マンツ社長は民生家電分野での大型受注について、2014年に買収したイタリアのアルコトロニクスを迅速に統合できたことが大きいと説明する。アルコトロニクスは現在、マンツ・イタリーとして事業展開している。同社長は、「アルコトロニクスの買収が成功していなければ民生家電市場でこれほど早く成功を収めることはできなかった」と述べるとともに、リチウムイオン電池の分野では今後さらに成長が見込めるとの見解も示す。

マンツの2014年の電池事業の売上高は910万ユーロ(全体の3.4%)と小さく、今回の受注により同事業は大きく飛躍する。マンツ社長は今後について、電気自動車、定置用蓄電池と並び、民生家電向け電池にも注力していく方針を示している。

■ 太陽電池では国外市場に事業拡大の好機も

独経済紙『ハンデルスブラット』(8日付)によると、今回の大型受注はアジアや欧州の顧客から獲得したという。

同紙によると、マンツは太陽電池セル製造設備の分野で大きく成長し、2006年に株式を公開した。しかし、ドイツの太陽電池メーカーの業績が悪化し、マンツも赤字に陥った。事業再建に向けてマンツはスマートフォンやタブレット端末、ノートパソコンなど携帯端末用ディスプレーの製造設備に軸足を移した。また、伊アルコトロニクスの買収により、民生家電用電池のノウハウを取得した。

マンツ社長は『ハンデルスブラット』紙に対し、太陽電池に関してはこれまで国内市場に集中しすぎたと述べ、世界市場に目を向けるとまだ成長の余地があり、事業拡大が見込めるとの見解を示している。

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