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2015/6/5

企業情報 - 自動車メーカー

独ダイムラー、定置用蓄電池市場に参入

この記事の要約

独自動車大手のダイムラーは5月28日、リチウムイオン蓄電池の組み立てを事業とする子会社ドイッチェ・アキュモーティヴ(出資比率:100%)が定置用蓄電池市場に参入すると発表した。産業用および個人用の定置用蓄電池を国内外で販 […]

独自動車大手のダイムラーは5月28日、リチウムイオン蓄電池の組み立てを事業とする子会社ドイッチェ・アキュモーティヴ(出資比率:100%)が定置用蓄電池市場に参入すると発表した。産業用および個人用の定置用蓄電池を国内外で販売していく。これまでは自動車用のリチウムイオン蓄電池を生産していたが、定置用蓄電池市場への参入により事業の幅を広げさらなる成長を目指す。

産業用蓄電池はすでに、提携先である充電機器の販売・設置サービス会社ザ・モビリティ・ハウスと電力会社ゲテック・エネルギーの合弁会社Coulombを通して最初の設備が電力網に接続されている。個人向けの製品の販売では独エネルギー大手EnBWと協力する。一般家庭の太陽光発電設備の余剰電力を蓄電することを想定しており、現在、試験導入を進めている。ダイムラーは今後さらに販売提携先を増やし、ドイツおよび国外で定置用蓄電池事業を強化していく方針。

産業用蓄電池の電力は、電力の安定供給に役立てるため、Coulombがドイツのエネルギー取引所を通して販売している。この産業用電池は現在、96個のバッテリーモジュールで構成されており、総容量は500kWhを超える。段階的に3,000kWhの容量まで大型化する計画だ。

■6月から予約販売開始、秋から出荷

定置用蓄電池は6月から予約販売を開始し、秋から出荷を開始する。バッテリーモジュール1個あたりの容量は個人向けが2.5kWh、産業用が5.9kWh。個人向けは最大8モジュール(20kWh)まで組み合わせることができる。産業用は上限がなく、用途に応じてモジュールを増やすことができる。

ドイッチェ・アキュモーティヴは2009年の設立で、シュツットガルト近郊のナーベルンに本社を置く。ナーベルンで研究開発も行っており、工場はドイツ東部のカーメンツにある。これまではダイムラー傘下の乗用車ブランドであるメルセデス・ベンツおよびスマートのハイブリッド車や電気自動車向けにリチウムイオン電池を開発・生産してきた。

従業員数は約250人で、カーメンツに約170人、ナーベルンに約80人が勤務している。カーメンツ工場では現在、生産能力を増強しており、2016年までに従業員数も約2倍に拡大する予定。

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