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2015/10/16

企業情報 - 自動車メーカー

VWブランドの製品戦略を見直し、年10億ユーロの投資削減

この記事の要約

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は13日、フォルクスワーゲン(VW)ブランドの新しい製品戦略について発表した。ディーゼル車に搭載した不正ソフトウエアの問題を受けた措置で、年10億ユーロの投資削減を実施するほか、効 […]

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は13日、フォルクスワーゲン(VW)ブランドの新しい製品戦略について発表した。ディーゼル車に搭載した不正ソフトウエアの問題を受けた措置で、年10億ユーロの投資削減を実施するほか、効率改善の取り組みをさらに強化する方針も明らかにした。

製品戦略では、欧州と北米市場向けのディーゼル車に選択触媒還元(SCR)システムおよび尿素水「アドブルー(AdBlue)」を可能な限り早い時点で導入する方針を示した。また、プラットフォーム「MQB」をさらに発展させていく意向も示した。重点を置く分野としては、航続距離の長いプラグインハイブリッド車の開発、航続距離が約300キロメートルの電気自動車の量産化、48ボルトの電力供給システム(マイルドハイブリッド)、ディーゼル車・ガソリン車・天然ガス車の効率改善――を挙げている。

さらに、コンパクトセグメントの電気駆動車向けプラットフォーム(MEB)を開発する計画も明らかにした。MEBはVWグループのその他のブランドにも採用するとともに、乗用車および軽商用車に投入し、グループ全体で相乗効果を高めていく。同プラットフォームをベースにした純粋な電気自動車の航続距離は250~500キロメートルになる見通しという。

このほか、VWの最上級モデル「フェートン」の次世代モデルを電気自動車とする計画も発表した。VWはこれまで、新型「フェートン」を2016年末に市場投入する方針を明らかにしていたが、同戦略を見直した。メディア報道によると電気自動車の次世代フェートンの発売は2019年となる見通しで、同モデルでは製品戦略を見直すとともに新モデルの投入時期を先送りする形となった。

■ 北米地域の責任者、就任前に辞任

VWは新しい経営体制として、VWのチェコ子会社シュコダ自動車のヴィンフリート・ファーラント社長が11月1日付けで米国、メキシコ、カナダを統括する北米地域の責任者に就任する人事を発表していたが、メディア報道によるとファーラント氏は11月1日の就任を前にVWグループを去るもようだ。

ファーラント氏は中国事業の責任者として事業拡大に貢献したほか、シュコダ自動車では2014年の世界販売で初めて100万台を超えるなど、販売台数の拡大や業績改善で実績を上げてきた。

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