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2010/1/15

総合 – 自動車産業ニュース

「ガリレオ」14年に運用スタートへ、衛星製造など3分野で事業者決定

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は7日、EUが進める欧州独自の全地球測位システム「ガリレオ」について、人工衛星の製造や打ち上げなどを担当する事業者を指名するとともに、2014年初めの運用開始を目指す方針を明らかにした。資金難 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は7日、EUが進める欧州独自の全地球測位システム「ガリレオ」について、人工衛星の製造や打ち上げなどを担当する事業者を指名するとともに、2014年初めの運用開始を目指す方針を明らかにした。資金難や運営方針をめぐる加盟国の対立などから一時は計画が頓挫する危機に陥ったが、当初08年のサービス開始を予定していたプロジェクトはようやく実現に向けて動き出した。

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ガリレオは米国の全地球測位システム(GPS)に依存する現状を改善するため、EUが開発を進めている民生用の測位システム。衛星情報を自動車のナビゲーションシステム、船舶や飛行機の運航のほか、資源探査、都市計画、犯罪捜査などに役立てることを目的としている。総事業費34億ユーロに上るガリレオは最大32基の衛星で構成され、測位精度は1メートル以内と、GPSの10メートルをしのぐ精度を誇る。

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欧州委は計画の実現に向け、欧州宇宙機関(ESA)と協力して08年7月から分野ごとに事業者の選定を進めていた。欧州委のタヤーニ副委員長(運輸担当)は「主要分野で請負契約を結ぶことができ、ガリレオ計画は大きく前進した。ようやくサービス開始に向けて計画を推進することができる」と強調した。

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衛星の製造に関しては、独OHBシステムが初期発注分の衛星14基の製造を請け負う。契約金額は5億6,600万ユーロ。欧州委は残り18基について、枠組み契約を締結しているOHBシステムと独EADSアストリウムのうち、より有利な条件を提示した側に随時発注する方針を示している。

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打ち上げサービスは仏アリアンスペースが3億9,700 万ユーロの契約を受注した。最初の打ち上げは仏領ギアナで2012年10月に予定されている。一方、仏タレスと伊フィンメカニアの合弁会社タレス・アレーニア・スペースは、ESAによるガリレオシステムの統合および認証などを支援するためのサービスを提供する。契約金額は8,500万ユーロとなっている。なお、地上基地の建設やオペレーションなど残る3分野の請負契約に関しては、今年半ばに事業者が選定される見通しだ。

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