2010/3/15

産業・貿易

クロマグロ取引禁止、EU加盟国が支持で合意

この記事の要約

EU加盟国は10日、ブリュッセルで大使級会合を開き、乱獲による個体数の減少が指摘される大西洋と地中海のクロマグロについて、モナコが提案している国際取引の禁止措置を支持する方針を決めた。一定の移行期間を置くことなどを条件に […]

EU加盟国は10日、ブリュッセルで大使級会合を開き、乱獲による個体数の減少が指摘される大西洋と地中海のクロマグロについて、モナコが提案している国際取引の禁止措置を支持する方針を決めた。一定の移行期間を置くことなどを条件に、13日からカタールで開かれているワシントン条約締約国会議(CITES)で加盟国が一致して取引禁止を求める。

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CITESでは大西洋と地中海のクロマグロをワシントン条約の「絶滅の恐れがある生物」に指定し、国際取引を禁止するよう求めるモナコの提案が採決される。EU加盟国は◇CITESで禁輸が正式に決定した場合、実施まで1年程度の移行期間を設け、CITESの常設委員会が最新の科学データに基づいて最終判断する◇禁輸措置で打撃を受ける域内の漁業者にEUとして補償を行う◇地中海沿岸などで行われている伝統的な手法による小規模マグロ漁を例外として認め、域内での取引も容認する――という条件付きで国際取引の禁止を支持することで合意した。

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ただ、欧米メディアによると、マルタは最後まで禁輸に反対したもようだ。EU内では今後、漁業者に支払う補償金の額や、加盟国間で費用負担をどのように調整するかといった点に焦点が移るものとみられる。

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CITES(締約国175カ国)では投票国のうち3分の2以上が賛成すると国際取引の禁止が決定する。EU以外ではすでに米国やスイスがモナコ案を支持する方針を表明しており、アフリカ諸国も取引禁止に傾いている。一方、禁輸措置が採択された場合、日本は留保の手続きを取る方針を示している。

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