2010/3/15

競争法

通信事業者のサービス抱き合わせ販売、禁止は「合法」=欧州司法裁

この記事の要約

欧州司法裁判所(ECJ)は11日、通信事業者が特定のサービスの加入希望者に他のサービスへの加入を強制することを一律に禁止したポーランドの法律は、通信当局による規制のあり方を定めたEUルールに違反しないとの判断を示した。\ […]

欧州司法裁判所(ECJ)は11日、通信事業者が特定のサービスの加入希望者に他のサービスへの加入を強制することを一律に禁止したポーランドの法律は、通信当局による規制のあり方を定めたEUルールに違反しないとの判断を示した。

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ポーランドの通信監督機関UKEは2006年、通信最大手テレコムニカーツィヤ・ポルスカ(TPSA)がインターネット接続サービスの加入希望者に対し、同時に音声通話の利用契約を結ぶことを加入の条件としている点を問題視し、こうした商慣行は04年の通信規制法に抵触すると判断。同社に契約条件の見直しを命じた。

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これに対してTPSAは、命令を不服としてUKEを提訴。裁判では市場の競争状態に関係なく、複数サービスの抱き合わせ販売を一律に禁止した国内ルールと、各国の通信当局に市場分析を行ったうえで競争が不十分と判断した場合に新たな規制の導入求めたEUルール(2002年に制定された電気通信規制パッケージの枠組み指令)との整合性が焦点となり、最高行政裁判所がECJに判断を求めていた。

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ECJは判決で、複数サービスの抱き合わせ販売の禁止ルールによって通信当局の権限が制限されるわけではなく、EUの枠組み指令は消費者保護を目的とする国内ルールを排除しないと指摘した。さらに、通信規制パッケージのうちユニバーサルサービス指令との関連にも言及。加盟国はエンドユーザーが本来必要としないサービスに対する支払い義務を負うことのないよう、適切な措置を講じるよう求められていると指摘し、現行法に基づいてTPSAに商慣行の改善を命じたUKEの判断は妥当と結論づけた。

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