2010/3/15

産業・貿易

ユーロ圏鉱工業生産が1月に急上昇、89年8月以来の伸び

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが12日発表したユーロ圏の1月の鉱工業生産指数(季節調整済み)は前月比で1.7%上昇し、上げ幅は前月の0.6%を大きく上回って1989年8月以来の高水準となった。前年同月比でも1.4%上昇し、20 […]

EU統計局ユーロスタットが12日発表したユーロ圏の1月の鉱工業生産指数(季節調整済み)は前月比で1.7%上昇し、上げ幅は前月の0.6%を大きく上回って1989年8月以来の高水準となった。前年同月比でも1.4%上昇し、2008年4月以来初めて伸びを記録した。(表参照)

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分野別ではエネルギーが前月比で2.6%上昇したほか、鉄鋼、機械部品など中間財が1.4%、耐久消費財が2%の幅で伸びた。

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EU27カ国ベースの鉱工業生産指数は、前月比で1.8%、前年同月比で1.5%上昇。国別では、データが出そろっている19カ国のうちドイツ、フランス、イタリアを含む13カ国が前月比で上昇した。

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ユーロ圏では2009年10-12月期の域内総生産(GDP)成長率が前期比0.1%に鈍化し、景気の先行きに対する厳しい見方が広がったが、鉱工業生産の予想を上回る上昇を受けて、市場では「景気回復が止まったわけではないという希望が出てきた」(英キャピタル・エコノミクスの欧州担当エコノミスト)と前向きの声が出ている。速報値で1.7%低下となっていた12月の指数が0.6%上昇に改定されたことで、10-12月期GDPも上方修正されるとの見方もある。

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