2010/9/27

産業・貿易

グラクソの糖尿病治療薬、EMAが認可凍結を勧告

この記事の要約

欧州医薬品庁(EMA)は23日、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)の糖尿病治療薬「アバンディア(Avandia)」について、欧州委員会に販売認可の凍結を勧告した。同薬の服用によって心臓発作や心不全のリスクが高ま […]

欧州医薬品庁(EMA)は23日、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)の糖尿病治療薬「アバンディア(Avandia)」について、欧州委員会に販売認可の凍結を勧告した。同薬の服用によって心臓発作や心不全のリスクが高まると判断した。アバンディアは安全性の問題が指摘される3年前までGSKの主力製品の1つだったが、同薬と同じ成分を含む「アバンダメット(Avandamet)」および「アバグリム(Avaglim)」と共に、数カ月以内にEU市場から撤去される見通しとなった。

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アバンディアをめぐっては、2007年に米国で同薬に含まれるロジグリタゾン(rosiglitazone)が心臓発作や脳卒中のリスクを高める可能性が指摘され、EMAの医薬品委員会(CHMP)は08年、心臓血管病の患者は同成分を含む糖尿病治療薬を使用すべきではないとの見解を示していた。EMAはラベルに注意書きを加えることを条件に、その後もアバンディアなど3種類の糖尿病治療薬の販売を認めてきたが、最新の臨床データなどから「リスクが治療のメリットを上回る」ことが確認されたとして、EU市場からの撤去を勧告した。

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一方、米食品医薬品局(FDA)も同日、アバンディアの販売を厳しく制限する方針を発表した。他の治療薬では血糖値をコントロールできない場合に限り、アバンディアの使用を認めるという内容で、医師は投薬にあたり患者の適格性を証明することが義務付けられる。

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アバンディアの売上高は06年に世界全体でおよそ30億ドルに達したが、09年は12億ドルに縮小している。

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