2010/9/27

総合 –EUウオッチャー

欧州金融安定基金、大手格付け機関が最高評価

この記事の要約

財政危機に陥ったユーロ参加国に緊急金融支援を行う「欧州金融安定基金(EFSF)」は20日、大手格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、フィッチ・レーティングスから、そ […]

財政危機に陥ったユーロ参加国に緊急金融支援を行う「欧州金融安定基金(EFSF)」は20日、大手格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、フィッチ・レーティングスから、それぞれ最高評価となる「AAA」の格付けを取得したと発表した。EFSFのクラウス・レグリング最高経営責任者(CEO)は声明で、「EFSFが想定される役割を果たすことができると明白に確認するもので、ユーロ圏の国債市場の安定を維持するための戦略の礎石となった」と歓迎している。

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EUは6月、ユーロ参加国がギリシャと同様の深刻な信用不安に陥った場合に7,500億ユーロの緊急金融支援を行う制度の創設で合意。その中核となるのが、ユーロ圏各国の政府保証による総額4,400億ユーロ規模のEFSF。各国の負担額は欧州中央銀行(ECB)への拠出額に応じて決まる。ユーロ圏16カ国のほかスウェーデン、ポーランドが自主的に参加する。

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3格付け機関は同基金について、信用格付けの高い国々が参加し、無条件で保証を与えることを約束している点などを評価し、最高の格付けを与えたとしている。

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金融危機の発端となったギリシャはEFSFとは別枠で、ユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)から3年間で総額1,100億ユーロの緊急協調融資を受けることになっており、EFSFの支援対象とはならない。これまでのところ支援を発動したことはないが、このところアイルランド、ポルトガルで財政不安が強まり、国債の利回りが急上昇していることから、市場では両国が支援要請に追い込まれかねないとの観測がくすぶっている。

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