2010/11/1

欧州ビジネスウオッチ

帝人、蘭パラ系アラミド繊維工場を本格再稼働

この記事の要約

帝人は10月27日、アラミド繊維事業を展開する蘭子会社テイジン・アラミドB.V.(アーネム市)がパラ系アラミド繊維「トワロン」を製造するエメン工場の生産ラインを9月半ばからすべて本格稼働させていることを明らかにした。金融 […]

帝人は10月27日、アラミド繊維事業を展開する蘭子会社テイジン・アラミドB.V.(アーネム市)がパラ系アラミド繊維「トワロン」を製造するエメン工場の生産ラインを9月半ばからすべて本格稼働させていることを明らかにした。金融・経済危機を受け2008年10月以降、一部の生産ラインを休止していたが、今年前半の急速な需要回復を受けて再稼働させた。

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トワロンは軽量であるとともに、強度、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性を備えており、タイヤコードやゴム補強材、ブレーキパッドなどの自動車用途、光ファイバーケーブルの補強材、防護衣料、産業用のロープやケーブル、コンポジット材料、使用規制が広がるアスベスト代替などに幅広く使用されている。テイジン・アラミドは同素材の需要拡大を受け03年、04年、06年に生産能力を増強。08年7月も新しい製糸ラインを稼働させたが、その直後に発生した世界経済危機を受け、一部の生産ラインを休止していた。

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同社によると、アラミド繊維市場は09年後半から自動車用途を中心に急速に回復しているほか、防弾用途や光ファイバーケーブルの補強材としての需要も増加している。「軽量」「省エネ」「安全」「メンテナンスフリー」という市場ニーズを背景に、パラ系アラミド繊維は今後も年7~8%の成長が見込まるという。

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