2011/4/18

総合 –EUウオッチャー

ギリシャが追加財政再建策発表、国有資産売却などで赤字230億ユーロ削減

この記事の要約

財政危機に直面するギリシャ政府は15日、追加の財政再建策を発表した。国有資産の売却などによる歳入増加と歳出削減により、財政赤字を2015年までに230億ユーロ減らし、国内総生産(GDP)比1%まで圧縮する計画だ。\ ギリ […]

財政危機に直面するギリシャ政府は15日、追加の財政再建策を発表した。国有資産の売却などによる歳入増加と歳出削減により、財政赤字を2015年までに230億ユーロ減らし、国内総生産(GDP)比1%まで圧縮する計画だ。

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ギリシャは昨年5月、EUと国際通貨基金(IMF)から3年間で総額1,100億ユーロの緊急協調融資を受けることが決定。すでに一部が実行されている。同支援の条件として求められた公務員の給与カット、年金支給年齢の引き上げ、付加価値税(VAT)の増税など厳しい財政引き締め策を進め、財政改善に取り組んでいるが、信用不安が依然としてくすぶっており、資金調達のため発行する国債の利回りは10%を超え、ユーロ導入後の最高水準に達している。

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今回の追加削減策は、EUとIMFが2月に勧告した財政再建強化策に沿ったもの。2012年までに国営ギリシャ電力会社(PPC)に対する政府の持ち株比率を51%から34%に減らすほか、通信会社OTEや空港運営会社などの株式を売却し、2015年までに500億ユーロを調達する。また、防衛支出など歳出の削減も拡大する。これにより、2009年にGDP比15.4%に膨れ上がった財政赤字を2015年までにEUの財政規律で上限となっている3%を大きく下回る1%まで削減する。削減策の詳細、工程表はイースター休暇明けに発表する予定だ。

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ギリシャの財政危機をめぐっては、国債の保有者などに利払い減免などを求める債務再編が必要との指摘があるが、政府は再編を避けながら財政再建を進める決意を示している。

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