2011/11/28

総合 –EUウオッチャー

フィッチがポルトガルを格下げ、投資不適格水準に

この記事の要約

欧州系格付け会社のフィッチ・レーティングスは24日、財政危機に直面するポルトガルの長期国債の格付けを「BBBマイナス」から1段階引き下げ、投資不適格水準の「BBプラス」にしたと発表した。財政、景気の悪化を見込んだもので、 […]

欧州系格付け会社のフィッチ・レーティングスは24日、財政危機に直面するポルトガルの長期国債の格付けを「BBBマイナス」から1段階引き下げ、投資不適格水準の「BBプラス」にしたと発表した。財政、景気の悪化を見込んだもので、米ムーディーズ・インベスターズ・サービスに続いてポルトガルを投資適格外とした。

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ポルトガルは昨年の財政赤字がEUの財政規律で上限となっている国内総生産(GDP)比3%を大幅に上回る同9.8%に拡大。累積債務は同93.3%に達した。今年に入ってギリシャ危機が飛び火して同国の国債は売り込まれ、利回りが急上昇。政府は4月にEU、国際通貨基金(IMF)に緊急支援を要請し、総額780億ユーロの融資を取り付けた。

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政府は財政赤字を2011年はGDP比5.9%、12年は4.5%まで圧縮する計画で、財政再建に取り組んでいる。これについてフィッチは、厳しい緊縮策が景気悪化を増幅させ、財政再建が困難となって赤字が拡大する悪循環に陥る恐れがあるとして、投資適格外に格下げした。

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ムーディーズは7月にポルトガルの長期信用格付けを投資不適格水準とした。3大格付け会社で同国を投資適格としているのは、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)だけとなった。

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ポルトガル10年物国債の流通市場での利回りは同日、フィッチの格下げを受けて急上昇し、欧州市場で一時13.8%台をつけた。これは、ユーロ圏でギリシャに次ぐ高水準。

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