2012/2/20

競争法

MSのスカイプ買収承認に異議、シスコが欧州裁に提訴

この記事の要約

米シスコ・システムズは15日、米マイクロソフトがインターネット通話サービス会社スカイプ(ルクセンブルク)を買収する計画を欧州委員会が承認したことを不服として、欧州一般裁判所に提訴したと発表した。\ マイクロソフトは昨年5 […]

米シスコ・システムズは15日、米マイクロソフトがインターネット通話サービス会社スカイプ(ルクセンブルク)を買収する計画を欧州委員会が承認したことを不服として、欧州一般裁判所に提訴したと発表した。

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マイクロソフトは昨年5月、スカイプを85億ドルで買収すると発表。欧州委員会は、両社がビデオ通信事業で重複するものの、同分野ではグーグルなど強力な競合企業が存在することから、買収に競争上の問題はないと判断、同10月に買収計画を承認した。

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ビデオ通信事業を成長戦略の要と位置づけるシスコは、ビデオ通信分野でイノベーションを加速させると同時に経済的価値を創造しユーザーの選択の幅を広げるためには、デバイスやシステムの相互運用性を確保することが欠かせないと主張。マイクロソフトは自社の企業向けコミュニケーション・プラットフォーム「Lync」にスカイプを統合する計画だが、そうなれば7億人を超えるスカイプユーザーにアクセスしようとする企業をマイクロソフトのプラットフォームに囲い込むことにつながり、動画通話の相互運用性が損なわれると批判する。

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シスコのシニアバイスプレジデントであるデビア氏は、「同じキャリアまたは同じブランドの電話機を使用している人だけとしか通話できなかったらどんなに不便か想像して欲しい」と語ったうえで、シスコは買収そのものに反対しているのではなく、欧州委員会に対し、より標準的な規格に基づいた相互運用性を確保するための条件を付けることを求めると明らかにした。

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