2012/4/23

産業・貿易

ワイン用ぶどう植樹権撤廃でハイレベル協議

この記事の要約

EUは19日、ワイン用ぶどうの植樹権に関する第1回ハイレベル会合を開催した。ぶどうの植樹は2018年までに完全自由化されることが決まっているが、米国やオーストラリア、南アフリカなどの「新世界ワイン」が台頭するなか、植樹を […]

EUは19日、ワイン用ぶどうの植樹権に関する第1回ハイレベル会合を開催した。ぶどうの植樹は2018年までに完全自由化されることが決まっているが、米国やオーストラリア、南アフリカなどの「新世界ワイン」が台頭するなか、植樹を自由化することは欧州産ワインの地盤沈下に拍車をかけるとのワイン生産国の主張を受け、植樹権制度廃止の是非を検討する。

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EUでは08年8月に発効したワイン共通市場制度(OCM)により、新規のブドウ植付け禁止などを含む現行の制限的な植樹権制度を15年末までにEUレベルで、加盟国レベルでも18年までに撤廃し、生産者が自由にぶどうの品種や作付け地を選択できるようにすることが決まっている。しかし、ワインが重要な輸出品であるフランスやスペイン、イタリアなどの一部加盟国は、植樹権制度を自由化すればワイン生産者のアイデンティティが失われ品質低下につながり、欧州産ワインの国際競争力が損なわれる結果になると主張、植樹権制度の存続を求めている。

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欧州委のチオロシュ委員(農業担当)は会合の冒頭、「市場の現状を踏まえ、ぶどう畑の管理システムのどのような可能性があるかを現実的に評価する必要がある」と語った。ハイレベル会合は今回を含め4回開催され、今年末に勧告をまとめる。

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