欧州委員会は19日、ソニーが投資会社と共同で英音楽大手EMIグループの音楽出版部門を買収する計画を承認したと発表した。ソニーは条件として、保有する版権の一部を手放すことを求められる。
\ソニーは昨年11月、ブラックストーングループ、アブダビ政府系投資会社ムバダラ開発公社などと共同で、米金融大手シティグループからEMIの音楽出版部門を22億ドルで買収することで合意していた。
\ソニーは提携するマイケル・ジャクソン遺産管理財団と合わせて、ビートルズやボブ・ディランなどを含む数百万の楽曲の版権を持つ。欧州委の買収審査では、ソニーがEMI買収により音楽のオンライン配信を中心に版権の寡占が強まる懸念が浮上。とくに英、アイルランドでヒット曲の過半数の版権を持つことを問題視していた。
\これに対してソニー側は、「ヴァージンUK」など4レーベルのカタログや、現在活動している12人の作詞・作曲家の楽曲の版権を第3者に売却することを提案。欧州委は同措置によって競争上の問題が解消されるとして、その実施を条件に買収を承認した。
\ロイター通信によると、ソニーが手放す版権の年間売上高は約2,500万ユーロ。オージー・オズボーン、ロビー・ウイリアムズ、カルチャー・クラブなどの楽曲が含まれる。
\シティグループはEMIのレコード部門を仏メディア大手ビベンディ傘下のユニバーサル・ミュージック・グループに売却することでも合意している。同取引については、欧州委が初期調査の結果、競争上の問題があるとして、本格的な調査に着手している。
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