2012/6/4

環境・通信・その他

次世代SIMカードの標準規格、ETSIがアップル方式を採用

この記事の要約

欧州電気通信標準協会(ETSI)は1日、大阪で会合を開き、携帯電話のユーザー情報識別に使われる次世代の小型SIMカードについて、米アップルが提案していた標準規格案の採用を決めた。「ナノSIM (nano-SIM)」と呼ば […]

欧州電気通信標準協会(ETSI)は1日、大阪で会合を開き、携帯電話のユーザー情報識別に使われる次世代の小型SIMカードについて、米アップルが提案していた標準規格案の採用を決めた。「ナノSIM (nano-SIM)」と呼ばれる第4世代のSIMカードをめぐっては、フィンランドのノキアを中心とする陣営とアップルの間で激しい規格争いが展開され、ETSIは2度にわたって決定を延期していた。

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ナノSIMはアップルの「iPhone 4S」などに使用されている「マイクロSIM」より約40%小さく、現行SIMとの互換性も確保されている。アップルは昨年5月、ETSIに対して自社のナノSIMを標準規格として採用するよう提案。これに対し、ノキアは米モトローラ・モビリティーとカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)の支持を取りつけてアップルに対抗。今年3月にはETSIに書簡を送り、アップルの規格が標準化の要件を満たしていないとしたうえで、同社の規格が採用された場合、自社が保有するSIM関連特許の提供を拒否する方針を打ち出すなど、アップルへの対決姿勢を強めていた。

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ETSIは今回の決定に関して、標準規格に採用した仕様の詳細を明らかにしておらず、アップルの具体名も出していないが、ノキアは声明で「採用された規格は(自社の規格より)技術的に劣っており、多くのアプリケーションに適していない」と指摘。自陣営の敗北を認めたうえで、「ETSIは標準化プロセスに関する当社の懸念に応えるため、適切な措置を講じたと確信している。ノキアは標準規格を推進するうえで不可欠なすべての特許を公正、合理的、非差別的な条件で提供する準備がある」と表明している。

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