2013/4/8

総合 –EUウオッチャー

13年EU予算を112億ユーロ増額、欧州委が提案

この記事の要約

欧州委員会は3月27日、2013年EU予算の112億ユーロ増額を提案した。2012年に実施されたインフラ整備事業などの未払金を処理するために必要としているが、EU予算の圧縮を求める英国など主要国の反発は必至で、調整は難航 […]

欧州委員会は3月27日、2013年EU予算の112億ユーロ増額を提案した。2012年に実施されたインフラ整備事業などの未払金を処理するために必要としているが、EU予算の圧縮を求める英国など主要国の反発は必至で、調整は難航が予想される。

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昨年12月に成立した13年予算の歳出(支払いベース)は1,328億ユーロ。欧州委と欧州議会は成長、雇用戦略を推進するため前年比約7%の増額を求めたが、財政再建のため厳しい緊縮策を導入している英国、ドイツ、フランスなどが激しく抵抗。厳しい交渉の末、2.9%の増額はするものの欧州委の原案を50億ユーロ下回る水準で落ち着いた経緯がある。

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欧州委は同予算の増額について、成立した予算に盛り込まれたインフラ整備事業などへの支払いは、あくまで予想額であったことから、修正は当然としている。しかし、これが認められると加盟国のEU予算負担額がドイツで22億ユーロ、フランスで17億ユーロ、英国で16億ユーロ、イタリアで13億ユーロ増えることになる。英国のクラーク金融サービス担当相は同日発表の声明で、増額分はEUと国際通貨基金(IMF)によるキプロスへの金融支援を上回る規模であることに言及し、「とても受け入れられない要請だ」と即座にはねつけた。

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一方、予算増額を支持する欧州議会側は、これが認められないと欧州議会の承認待ちとなっているEUの次期中期予算(対象期間:2014~20年)をめぐる審議をボイコットする構えを示しており、加盟国側との激しい綱引きが展開されそうだ。

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