2013/6/24

競争法

ルンドベックなどに1.4億ユーロの制裁、後発薬の投入遅延で

この記事の要約

欧州委員会は19日、デンマーク製薬大手ルンドベックが複数のジェネリック薬(後発医薬品)メーカーと共謀し、同社が開発した抗うつ剤「シタロプラム」の後発薬が市場に投入されるのを不当に遅らせたとして、関係各社に総額1億4,60 […]

欧州委員会は19日、デンマーク製薬大手ルンドベックが複数のジェネリック薬(後発医薬品)メーカーと共謀し、同社が開発した抗うつ剤「シタロプラム」の後発薬が市場に投入されるのを不当に遅らせたとして、関係各社に総額1億4,600万ユーロの制裁金支払いを命じた。

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制裁を科されたのはルンドベックと後発薬メーカーの独メルク、インドのランバクシー・ラボラトリーズ、英ジェネリクスUK、アロー、レゾリューション・ケミカルズ、デンマークのエクセリア・ファーマシューティカルズ、米アルファーマ、ファイザー傘下のゾエティス・プロダクツ、ノルウェーのA.Lインダストリエル。

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欧州委によると、ルンドベックはシタロプラムの特許が切れた後も後発薬が出回らないようにするため、2002年に後発薬各社と協定を結び、後発薬の販売を遅らせる見返りとして在庫を買い取るなどして数千万ユーロ規模の利益を供与した。

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欧州委は、英国ではシタロプラムの後発薬投入によって、従来より90%安い価格で手に入るようになったことに言及し、各社の不当な協定が「患者や各国の医療システムに損害を与えた」として、制裁に踏み切った。

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制裁額はルンドベックが9,376万6,000ユーロ、後発薬メーカー側が計5,223万9,000ユーロ。後発薬メーカーではメルク、アロー、ランバクシーに重い制裁が科された。

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欧州委は2009年に同問題での調査を開始。昨年7月に関係各社に異議告知書を送付していた。

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ルンドベックは違法行為を否定しており、欧州委の決定を不服として欧州司法裁判所に提訴する意向を即日表明した。

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